Se connecter1週間、あっという間だった。
「あ〜明日から仕事かあ〜」とヒロさん。 「うん、現実〜!」 残り1日だけは、新居でゆっくりした。 ──── 名古屋初出勤の日。 披露宴のお礼を言いながら、皆さんにお土産を配る。 本来は、夫婦違う部署に配属されることが多いのだが、私は初めてのパート採用の1人になったので、ヒロさんと同じ工事部に配属された。 パートになった、おば様たちは、もう電話を取ることがない条件なので、その代わりの要員でもある私が電話を取る。 東京本社や聞き取り調査に行った横浜支店からの電話の時は、お相手の方が知り合いだと、 「あら、お久しぶりです。お元気ですか?」と、つい話し掛けられる。 不思議な感覚だが楽しい。 私は、変わらず事務仕事をさせてもらっている。 ただ、勤務時間が9時〜3時と短くなって、残業なしで帰れるのも嬉しい。 ゆっくり家事が出来る。 今まで手抜きだった料理や掃除も、きちんとしたいから、私の働き方には合ってると思う。 しかし、お父様には『いつでも社員として、戻って来て!』と言われている。 朝は、ヒロさんと一緒に出勤して、ヒロさんは、現場に出てしまうことが多いので、私は時間になれば先に帰る。 ゆっくり買い物をして帰る時間があるのは、嬉しい。 新婚旅行から帰った後の残っていた荷物を全て片付ける。 洗濯物を畳んで、アイロンを掛けたり…… 今まで、ゆっくりすることがなかったので、時間に余裕が出来たことが何より嬉しい。 そして、まだ気が早いが、次は、2年後の東京での披露宴の計画を立てようと思った。 社長であるお父様の人脈を考慮すると、出席──え? ヒロさんって、こんなにもヤキモチを 妬く人だったっけ? 「ん? え、え? ヤキモチ?」と言うと、 「うん」と素直に言うところが可愛い。 「ふふ、可愛い〜」と抱きしめる。 「可愛いって何だよ!」と拗ねている。 なので、ヒロさんのネクタイを引っ張って濃厚なキスをしてあげた。 ── 1度やってみたかったんだよね〜コレ 「きゃわいい〜」と言うと、 「それは、やめろ!」と笑っている。 「ふふ。そんなわけないでしょう。いつもヒロさんのことばかり考えてるよ」チュッとすると、 「嬉しい」 やっぱり、「きゃわいい〜」と言ってしまった。 すると、熱い熱いキスを落とされた。 「ふふ」 ──はあ〜トロける〜 今日は、週末だし、絶対あれだな…… 朝までコース! だな。 そして、又一度言ってみたかったことを言ってみた。 「旦那様、先にご飯にする? お風呂にする? それとも……」と上目遣いで見上げると、またキスをしたヒロさん。 「ふふ、ごめん。ご飯にしよう!」と私が言うと、 「もう〜〜」と笑っている。 一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入る。 いつまでも、変わらずラブラブ。 なのに、どうして浮気だなんて疑われた? と思った。 湯船に浸かりながら、 「ヒロさんこそ、浮気なんてしてないでしょうね?」と言うと、 「してないよ! あ〜でも……」と言う。 「え? したの?」と聞くと、 「違う違う、今日現場近くのおば様に、挨拶したら『お兄さん、凄くイケメンね』って言
1週間、あっという間だった。 「あ〜明日から仕事かあ〜」とヒロさん。 「うん、現実〜!」 残り1日だけは、新居でゆっくりした。 ──── 名古屋初出勤の日。 披露宴のお礼を言いながら、皆さんにお土産を配る。 本来は、夫婦違う部署に配属されることが多いのだが、私は初めてのパート採用の1人になったので、ヒロさんと同じ工事部に配属された。 パートになった、おば様たちは、もう電話を取ることがない条件なので、その代わりの要員でもある私が電話を取る。 東京本社や聞き取り調査に行った横浜支店からの電話の時は、お相手の方が知り合いだと、 「あら、お久しぶりです。お元気ですか?」と、つい話し掛けられる。 不思議な感覚だが楽しい。 私は、変わらず事務仕事をさせてもらっている。 ただ、勤務時間が9時〜3時と短くなって、残業なしで帰れるのも嬉しい。 ゆっくり家事が出来る。 今まで手抜きだった料理や掃除も、きちんとしたいから、私の働き方には合ってると思う。 しかし、お父様には『いつでも社員として、戻って来て!』と言われている。 朝は、ヒロさんと一緒に出勤して、ヒロさんは、現場に出てしまうことが多いので、私は時間になれば先に帰る。 ゆっくり買い物をして帰る時間があるのは、嬉しい。 新婚旅行から帰った後の残っていた荷物を全て片付ける。 洗濯物を畳んで、アイロンを掛けたり…… 今まで、ゆっくりすることがなかったので、時間に余裕が出来たことが何より嬉しい。 そして、まだ気が早いが、次は、2年後の東京での披露宴の計画を立てようと思った。 社長であるお父様の人脈を考慮すると、出席
そして、私たちは、翌日の朝からモルディブへ シンガポールを経由して16時間もかかったので、ヘトヘト。 昨日の疲れもあったので、飛行機の中では2人共、何時間も寝ていた。 モルディブの7月は、雨季のようだ。でも、暖かい為、海水浴も楽しめる。あまり晴れ間は見られないかもしれないと言われていたが、到着した時、曇っていたが雨は降っておらず、なんとその後、晴れたのだ。 雨が降ってもスコールだからすぐに止むし、水も温水のようで気持ちが良い。 1棟ずつ建てられた水上コテージに泊まった。 「何コレ! 最高〜」 1週間のお休みだから、最長5泊7日取れたのだが、そうすると翌日仕事にならないと思ったので、4泊6日にした。 それでも、十分南国リゾートを満喫できた。 毎日朝起きたら、目の前が海。と言うか海の上に住んでるような感じなので、カンカン照りにはならなくても、ちょうど心地良く気持ち良かった。 「あ〜ずっとココに居たいなあ」 今まで1ヶ月間離れていた分、2人は、ずっとくっついている。 好きな時にプールもジャグジーも海にも入れる。 晴れた日には、サンセットも見えた。 「綺麗〜」 「綺麗だな」と又、後ろから抱きしめられる。 初日は、シュノーケリングを体験。それ以外は、非日常を味わう為に、ずっとコテージで過ごす。 「最高〜!」 「うん、最高だな」と、ずっとくっついてくるヒロさん。いつもなら鬱陶しいほどだ。でも、ハネムーンだからか嬉しかった。 顔を見るとキスをする。 何度したのか数えられないほどのキス。 「幸せ」と言うと、とても喜んでいる。 「俺もひまりとずっと居られて最高に幸せ」と言う。 「結婚できるなんて今でも夢みたいだもの」と
「ひまり! おめでとう」と、わざわざ東京から来てくれた美香。 私はとても嬉しかった。 「ありがとう〜」でも、嬉しくてずっと笑っていた。 美香の方が泣きそうになっていたが、 「ひまりが笑顔で良かった」と言ってくれた。 少しずつしか話せないけど、順番に回りながら、ご挨拶が出来た。 そして、この方、 「山田〜!」 「ふふ、おめでとう」と笑っている。 山田が笑ってくれてて良かったと思った。 「ありがとう」 名古屋支社の方々とは、私は、まだ聞き取り調査の時にしか話せていない。 なので、男性の方はほとんど知らない。 ヒロさんがご挨拶している。ヒロさんは、私を妻だと皆んなに紹介したかったのかなと思った。 嬉しかった。 名古屋支社で同期の里中ちゃんも来てくれた。 「おめでとう! ひまりちゃん凄く綺麗」と、 とても嬉しかった。 まさか今日、披露宴までしてくれるとは思っていなかったので、まだ頭が追いついていないのが現状。 ようやく、高砂席に到着して着席する。 「ヒロさんが全部準備してくれたの?」と聞くと、 「うんうん」と笑っている。 忙しいのに、いつの間に……と思ったが、 とても嬉しかった。 「ありがとう」 「ううん」と笑っている。 皆んなから写真を撮られる日だ。
今まで漠然としか子どものことを考えていなかった。 子どもが出来たら、どこで産むかなど具体的なことは、考えたこともなかったが、もし実家に帰ったりするなら、やはり一時的に異動で来ている、名古屋より東京で産む方が良いのかもしれないと思った。 「もし、東京で産むならベビーシッターさんやお手伝いさんを付けても良いし」とヒロさんは言ってくれるが…… さすが田上家と思ったが、私はどちらかと言うと、 子どもの成長は自分の目で見たいから、その時は、仕事を辞めて育児に専念したい! そう話すと、「分かった、良いね。仕事はいつ辞めても良いからね」と言ってくれた。 「うん、ありがとう」 なので、名古屋に居る間は、子どもを作らない。 離れていた分、これからの2年間は、もう少し2人で仲良く暮らしたいと思った。 そして、突然ヒロさんが、 「じゃあ、そろそろフォトウェディングでもする?」と。 「え、フォトウェディング? 結婚式は、東京に戻ってからじゃなかったの?」と聞くと、 「挙式披露宴は、東京で盛大に行なうと思うから、2人で先に撮影しない?」と言う。 「ホント?」 「うん、ひまりの花嫁姿が見たいよ」とヒロさん。 「わあ〜嬉しい! ヒロさん! ありがとう〜2年先なら2歳歳が増えちゃうと思ってたの」 「ハハッ、ひまりはまだまだ若いよ」と言うヒロさん。 「でも、入籍した時は、こんなだったのよって、将来子どもに言いたいじゃない!」 「そっか、ならそうしようか……」 「うん、嬉しい」
────7月になった 私たちのプロジェクトは、承認された。 そして、新しくパート制度が始まることになった。 なので、名古屋の社員さんだった50代の女性3名は、パート制度を使って、1日4時間程度の勤務に移行した。 業務内容は、各部署で相談していただいて、本人たちのご希望もあり、細かい作業は省いて、電話応対もしないということになったようだ。 なので、その分の即戦力が欲しいとのことだ。 私もヒロさんが名古屋に居る間だけの短期希望なので、パート制度を利用したいと言った。 が、『ほぼ2年弱あるし、社員として働いてはどうか?』と言われた。 これから先のことを考えると、いつかは子どもも欲しいし、主婦業もきちんとしたいので、ヒロさんのおかげで収入も安定しているし、やはりパートの方が有り難いと思った。 ならば、『業務内容に従来通りの事務仕事と電話応対も含めても良いか?』と言われたので、それは構わないということで、話がついた。 いよいよ、私も7月10日付けでの名古屋勤務となることが決まった。 ────7月1日 早速、昼休みにヒロさんに、電話で話す。 『やった〜! 嬉しい! 又ひまりとずっと一緒に居られる』と言うヒロさん。 「うん、ホントやっとだよね。お待たせしました」 と言うと、 『ううん、プロジェクトよく頑張ったね、お疲れ様』と言ってくれた。 「ありがとう〜」と嬉しくて泣きそうになった。 『東京のマンションは、中村さんに管理をお願いして、こっちに







